どうもこんにちは
近年とあるハウスメーカーで建てられた家のベランダの不具合相談が増えてます。
その中で最近改修をした現場です。
調査の時は幸いな事に雨漏れはしてませんが、ベランダを歩くと床がふわふわしてました。
この手の構造で防水屋さんから見ると、次の事が気になります。
①立上りの高さが異常に低い
②側溝が既製品の箱樋のまま防水処理は無し
③ベランダの防水層が側溝出隅までしか入って無い
特に③の所ですが
今見えている長尺シートの下は防水層、その下は合板下地になってます。
防水端末にあたる側溝出隅はブチル接着のみで経年劣化すれば簡単に水が浸入します。
水が浸入すると、合板が水を吸い込んで腐食します。
とあるハウスメーカーは大抵このパターンで不具合を起こしてます。
批判はともかく、修繕して行きましょう。
上の層の長尺シートを捲りますが、この時防水層も一緒に剥がれました。
やはり下地の合板が腐食してました。
床のふわふわの原因はこれですね。
合板も撤去して、最終層の鉄板までさらします。
多少の錆はありますが、鉄板まで撤去せずに修繕していきます。
新しい合板を貼付けますが、この時側溝から少し逃がした寸法にしました。
防水はFRPの2プライ仕様です。
側溝の出隅処理は
シーリング→FRP防水(側溝に巻き込み)→トップコート→シーリングとしました。
このあと板金屋さんに内壁をガルバ鋼板、立上り端部に水切りを取付てもらいました。
これで完成です。
ちょうどこの時は木材の枯渇問題で合板が無いかも?と言われてた時でしたが、運良く調達出来たのと、天候も良かったのでスムーズに施工が進みました。
新築時にベランダを設計する時は本当に必要かどうか考えて、作るなら防水屋さんと相談しながら施工するようにしましょう。
必ず改修する時が来ますので、その時にメンテナンスしやすい構造だとなお良しですね。
個人的には立上りを高く、側溝は浅く、ドレンは縦引きでお願いしたい所です。
ではでは。